洋酒入りゼリーによるアルコール中毒の事例

日本小児科学会雑誌では、小児科医が共有したほうがよい事故情報が掲載されます。2024年7月号の学会誌からの報告を共有したいと思います。

以下、学会誌の内容を一般の方向けに簡潔にまとめました。

日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会. Injury Alert (傷害速報) No.141

電洋酒入りゼリーの誤食による急性アルコール中毒の疑い, 日児誌 128: 755-757, 2024

 

【事故の概要】

4歳と2歳の兄弟が母の友人からの贈答品の洋酒入り青りんごゼリー(アルコール度数約1.5%,アルコール量約1.2 g)を摂取。摂取5~10分で2歳の弟の顔面が赤くなったことに母が気づき、ゼリーのラベルにアルコールが記載されていることが発覚し医療機関を受診した。経過観察のみで軽快した。

 

【こどもの生活環境改善委員会からのコメント】

・1%以上のアルコールを含む飲料に関しては酒税法食品表示法により「酒類」の表示が義務付けられているが,菓子類にはチョコレート類を除いて表示の義務はない.

・本事例のゼリーにはアルコール含有の表示義務はないものの,アルコール含有の表示があった.しかし,保護者は最初それに気が付かなかった。

学会誌より



予防対策に関しては,
1) 飲料だけでなく食品にもアルコール含有の明記の義務化
2) アルコール含有表示の形態や大きさを明確に規定すること
が挙げられる.