【微修正】当院の発達支援診療はどんなことをやっているの? 

今日は当院の発達支援外来でどのような診療をしているのかお話させていただきます。

 

まずは、現在の診療体制ですが、名誉院長先生との2診の曜日 (水) に対応しております。1日に12人ほどです。診療時間が入退室まで含めて20分なので、事前にメールで、現在の様子や質問したいこと、などお送りいただいております。

 

当院での診療内容についてです。

 

講演スライドより

①診断

まずは、診断ですが、ベースにある発達特性は暫定的な診断をさせていただくことが多いです(分からない場合は分からないとお話しします)。初回から暫定的な診断をさせていただくことについては異論のある方もいらっしゃるかもしれませんが、理由としては、1) 必要な支援 (療育の利用など)を受けるには診断が必要, 2) 保護者, 教員にとって診断名のあった方が対応しやすくなる(書籍を読むなど自主的に勉強しやすくなる)などです。なお、大きくなって2次障害が出てくるとアセスメントや対応は難しくなってきます。本人への告知の時期や方法は試行錯誤中です。

 

②検査

心理士が不在のため、簡単なアセスメントしかできません。知能検査など時間のかかる検査はできません。某市の教育委員会は、一昨年までは良かったのですが、昨年から担当者が大幅に変わったのか、私が必要と判断した患者さんに対しても断ってきました。また別の市は、「そちらで出来ないんですか?」と言ってきて、むっとしたことがあります。当院は、一般診療・ワクチン・健診もやっているのに、そこまでやる時間的・空間的余裕があると思っているのでしょうか?市が十分な補助をしてくださるならやらせていただくのですが。

 

結局、下記ぐらいしかできておりません。

1歳半:M-CHAT

4歳以上:JSI-R (感覚調整障害の評価)   

小学生:AQテスト, ADHD-RS , 眼球運動・視知覚のアセスメント

 

③治療

発達支援として、特性の説明, 環境調整や行動療法のお話をしております。分かりやすい本をすすめることもありますし、事前にいただいた質問に該当する箇所をコピーしてお渡ししたりしております。患者さんによっては、薬物を使用することもあります

ADHDの治療薬 (コンサータ, インチュニブ) , 入眠障害に対するメラトニン,自閉スペクトラム症児のイライラに対するアリピプラゾールやリスペリドンなどです。

また、本格的ではありませんが、ビジョントレーニングも一部のお子様には実施しております。

講演スライドより

④書類作成

・診断書

療育の利用や支援級に在籍のためには必要となります。3,000円/通です。

・特別児童扶養手当

障害の程度によぅては、給付を受けられる場合があります。5,000円/通で対応させていただいています。

・学校の先生へのお手紙 

ご希望のあった方は、学校の先生にお手紙を作成しております。

私が一方的に作るのではなく、お母様とやり取りしながら完成させていきます。

オーダーメイドになるので、1人あたり3時間以上かかる場合もありますが、お子様にとっては重要な書類なので3,000円で提供させていただいております。

(スタッフからは1万円でも安いと言われております)

詳細は下記をご参照ください

 

teammanabe.hatenablog.com

 

・歯科の先生へのお手紙

歯科医受診に悩まれているお子様も少なくなく、歯科医院への診療情報提供書を作成しております。詳細は下記をご参照ください。これは保険診療で対応可能です。

 

teammanabe.hatenablog.com

 

このように、当院では、身の丈にあった範囲で、ほそぼそと診療を続けております。

最近では、新規の方にご予約をお取りできない問題が発生しております。

診療所でも心理士を雇用する、など対応策を検討中です。