お母様からの問い合わせ「0歳児ですが麻疹が心配です。ワクチン接種できますか?」

 先日、インドへ渡航し帰国した男性が麻疹を発症し、同じ新幹線に乗っていた、都内の30~40歳の成人2名が麻疹を発症したと報道されました。

 【感染症ニュース】茨城・東京で麻しん患者発生 国内では麻しんワクチンの接種率が低下 ワクチン接種を忘れず!(感染症・予防接種ナビ) - Yahoo!ニュース

 

 今週の火曜日と水曜日に、0歳児の保護者の方より「麻疹が心配です。ワクチン接種できますか?」という電話での問い合わせを複数いただきました。回答としては「0歳児での接種は抗体がつきにくいので1歳からの接種となっております。当地域での発生の報告がない段階では、接種するメリットは少ないと思います。ご不安であれば接種は可能ですが、当院ですと自費で8,500円となります。また、0歳時に接種した場合、1歳児と就学前の2回の接種 (公費) は必ず必要です

 

📕麻疹ワクチンの接種が1歳~なのはどうして?

 乳児期の接種だと、お母様からの移行抗体を持っていた場合、適切な免疫応答が起こらず、ワクチンの効果が減弱する可能性があるからです。日本では、麻疹の流行がなく、予防接種率が高いので、1歳以降の接種となっております。

余談ですが、罹患率の高い国では生後9ヶ月に接種することもあります。

 

📕0歳での接種を考慮する状況は?

保育施設での発生や地域での流行がみられた場合です。その場合、生後6ヶ月以降での接種がすすめられます。

 

📕0歳児で接種した場合、今後の接種はどうするの?

0歳児での接種効果が十分でないため、1歳前と就学前の定期接種 (公費) は受ける必要があります。

 

以上より、繰り返しになりますが、回答としては「0歳児での接種は抗体がつきにくいので1歳からの接種となっております。当地域での発生の報告がない段階では、接種するメリットは少ないと思います。ご不安であれば接種は可能ですが、当院ですと自費で8,500円となります。また、0歳時に接種した場合、1歳児と就学前の2回の接種 (公費) は必ず必要です」参考になりましたでしょうか?ご不安のある方は気軽にご相談ください。

 

📕参考文献

小児内科, Vol45 増刊号, 2013, 379 

小児内科, Vol45 増刊号, 2013, 103

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