【院長日記】学校健診デビュー

 昨日は、初めて、小学校の学校健診を担当しました。ざっとマニュアルを見返したり、名誉院長に話しを聞いていたりをしたのですが、まだ右も左も分からず、とりあえずどのようなものか概要をつかもうといったスタンスでのぞみました。

 朝の8:30~12:30に総勢500名以上のお子様を診察しました。1人あたり約30秒ですね😲 はたしてこれでどこまで評価できるのだろうか?側弯を評価するようにと言われたが、これは、一部の整形外科医が騒いで 、小児科に丸投げする形で健診に組み込まれたものである。後ろを向いて、洋服を上げるだけでなので見づらい。はたしてこれで分かるのだろうか?(横浜市は整形外科が担当しているようです👏)。まあ、重例例を見落とさなければ良いのでしょうが、重症のお子様はすでに医療期間につながっていると思います。また、アトピー性異皮膚炎も何名か指摘しましたが、皮膚のコントロール状況は別として、大部分のお子様は医療期間につながっておりました。通常はかかりつけ医をすでに受診しているだろうし、受診していないようなご家庭は健診で受診をすすめてもなかなか受診に結びつかない可能性があります。最も驚いたのは、事前の調査票で、保護者の方が「咳嗽が続いている」と回答したお子様の時に、結核の可能性があるかどうかの回答を求められたことです。現在の日本の結核の有病率を考えると、それよりも、喘息を考えないといけないんじゃないの?また、こんな問診や聴診だけで結核がわかるわけないでしょ。まあ、文科省の指針なので、現場は結核について確認せざるをえないんでしょうね💦

率直に言って、現状では流れ作業であり、学校健診自体はあまり意義がないと思います (尿検査や成長曲線は意義があると思います。あくまでも私が診察する部分)大部分のお子様はかかりつけ医を持っていますしね。健診により、どれぐらい、治療を要する疾患でかつ医療期間を受診していない人をピックアップできたか,  また受診によりその状況が改善したかを評価していく必要があると思います。また、保護者や養護教諭が必要性あると感じているのかなど、そのあたりの調査も必要だと思います。

健診を有用なものにする案としては、1つは、学校医という専門職を作ること。例えば、1人の小児科医が、海老名市の小中学校を10ほどを担当し、健診も時間をかけてじっくり行う、また養護教諭や担任からの相談を受ける。もう1つは、健診を養護教諭が気になる子をピックアップして行う形にするなどです。しかし、前者については、医師を採用するコストの問題とそれに見合う意義があるのか、後者については養護教諭の先生に大きな負担がかかってしまいます。

養護教諭の先生に学校健診の感想を聞かれて、上記のように答えたら、苦笑いをしておりました。正直者でごめんなさい🙇

学校医の仕事の大部分は学校健診です。となると学校医はあまり意味のない存在なのでしょうか?

問題点を指摘するだけなら誰でもできるし、何も産まれないので、学校医が現状よりもずっと意義あるものになるような方略を考えて行きたいと思います。1つは、定期的に学校に配布する新聞を作成する。テーマは、夜尿症, 便秘, 睡眠の話し, 喘息, 頭痛など。もう1つは、私ならではのものですが、特別支援関連の相談も受けていきたいと思います。

最後になりましたが、健診についてくださった先生方、帰りに駅まで送ってくださった校長先生、ありがとうございました😃

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