ナッツアレルギー児はどんぐりの摂取に注意

2023年1月の日本小児科学会誌に掲載された症例報告を紹介させていただきます。

武田 真梨子, 他.どんぐりでアナフィラキシーを来したナッツアレルギーの児における交差アレルゲン解析, 日児誌 127: 16-21, 2023
※一般の方を主な対象としたブログなので、内容をだいぶ端折っていることご了承ください🙏
 
概要
症例は5歳男児。基礎にクルミ (アナフィラキシー既往あり), カシューナッツアレルギーがあります。今回は、保育園でどんぐりの入ったパンを作る企画に参加した.茹でた実を4粒食べた後に、アナフィラキシーを起こし救急搬送されました。
無事に軽快し、翌日に退院しております。
 
10月に採取したどんぐりの皮膚テストで「陽性」 (未成熟な9月のどんぐりでは陰性)
でした。また、詳細な解析で、クルミ, カシューナッツと共通するアレルギーの関与する抗原が存在することが示唆されました。
 
✎どんぐりについて
・どんぐりは,広義にはコナラ,クリ,マテバシイ,シイ,ブナの,狭義にはコナラ,マテバシイ,シイの実を含めたブナ科の果実の俗称です。
・食用とされるものとしてスダジイマテバシイが知られており、特にスダジイ(椎の木)は福島県以西の日本に広く分布しており,その実はしばしば食されています。
スダジイの実は,日本国内,特に関東圏では9月下旬から11月初旬に採取されます。
朝鮮半島など一部地域では,スダジイの木の実は「トトリムック」という名称で日常的に食されています。日本でも縄文時代に主食として食べられていた歴史があり,郷土料理としてどんぐりを使用した食品が残されている地域もあります。
 
✎ポイント
ナッツアレルギー児はどんぐりの摂取には注意を要する(避けた方が無難である)
 

ACイラストよりダウンリード