外来でのお母様からの質問~頭痛と食事の関連

先日、外来で、「いつもケーキを食べると頭痛をみとめる。頭痛はいつも10分ほど続く」という相談をいただきました。その日は、給食でイチゴ・クリーム付きのケーキが
提供され、小さいから大丈夫だと食べたようですが、すぐに頭痛をみとめたようです。
なお、他の甘いものは問題なく、チョコケーキは摂取可能なようです。
ごめんなさい、調べてみましたが、分かりませんでした・・・😱
 
でも、せっかく調べた情報なので、勉強したことを共有させていただきます。

ACイラストよりダウンロード
ポイントは、
・頭痛の誘因は、食事の他に睡眠不足, ストレス, 運動不足, 体重など色々な要因がある
食事が頭痛発作の誘因となることがあるが、すべての患者さんに共通しているわけで  はなく画一的な指導をしてはいけない1)
 
細かい所では、
・誘発しやすい食品としては、赤ワイン, チーズ, チョコレート, 柑橘類が有名2)
・日本人においてはアルコール以外に特定の食事との関連を訴える患者は少ない
鳥取県大山町の調査では、脂っこい食品やコーヒー・紅茶の接種量の
 多さと頭痛の関連が指摘3) 
・適度のコーヒー(カフェイン), ビタミンB2, マグネシウムは偏頭痛予防に働くこともあ  る4)
・空腹や長時間の絶食が誘因となる場合もあり、規則正しい食生活の指導が重要である4)

偏頭痛発作の誘因となる食品。
文献2より引用
 以上
 
個人的にはよほど偏った摂取を気にしなければ、食事指導にそこまでこだわらなくても良いかなと思っております。
 
参考文献:
1)瀧川 洋史, 他.【令和の頭痛診療-プライマリ・ケア医のためのガイド】頭痛診療One-up 頭痛患者の生活指導 食事,睡眠,運動,体重,ストレスのコントロール, Medicina. 2022.12;59(13):2398-2402.
2) 畑隆志:頭痛診療の実際-問診. Modern Physician 20:717-724,2000 
3)Takeshima T, et al. Population-based door-to-door survey of migraine in Japan; The Daisen study Headache 44: 8-19, 2004.  
4) 荒木 清, 【頭痛を訴える子どもに向き合う】子どもの頭痛と日常生活習慣, チャイルド ヘルス. 2022.11;25(11):802-807.