ヘアアイロンによるヤケドに注意

日本小児科学会雑誌では、小児科医が共有したほうがよい事故情報が掲載されます。2022年11月号の学会誌からの報告を共有したいと思います。

以下、学会誌の内容を一般の方向けに簡潔にまとめました。

日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会. Injury Alert (傷害速報) No.118

ヘアアイロンによる手指熱, 日児誌 126: 1545-1547, 2022



まず概要ですが、

患者さんは生後10ヶ月の赤ちゃん。ヘアアイロンで遊んでおり、それを母も認識しておりました (コンセントにはつながっていましたが、電源は入っておりませんでした) 

児の泣き声を聞いて母が駆けつけ、冷やしながら救急が外来を受診しました。両手に水疱をみとめましたが、軟膏塗布と被覆材での治療により軽快しました。

 

 

文献より引用

  ヘアアイロンとは,熱の力を利用して髪型を整えるために用いる電化製品です.この事例で原因となった製品は、髪を真っ直ぐに伸ばす(ストレート)あるいは巻く(カール)という2つの用途を備えており、電源を入れるとストレート用の平坦なプレート部分およびカール用のバレルと呼ばれる円筒形部分の金属が数秒で熱せられます。電源は長押しする必要はありますが、軽い力でも操作可能であったようです。

文献より

ヘアアイロンによる事故は消費者庁からも注意喚起されております。子どもの手の届かないところに置きましょう使用しない時は電源から抜きましょう、と呼びかけられていますが、子どもの手が届かないと思ってテーブルなどの上に置いていても、子どもがコードを引っ張り、ヘアアイロンを落下させて、やけどをした事例が報告されております。最終的には、保護者の方が危険性を認識していただくことが重要でしょうか

https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20200423/