当院へのDMで、AIが問診と喉の所見によりインフルエンザを診断するという機器の宣伝が届きました。なんと保険収載されるようです。
このような機器を患者さんの口腔内に入れ、喉の写真を撮り、数秒~数10秒で診断するようです。
一瞬、すごいと思いましたが、これを採用することはありえないでしょう。
理由としては、
1.カメラ部の径が25mmと太く小児の口に入れることは困難と思われます。成人でも
人によってはきついのでは?
(論文の対象はほぼ成人ですが、2.2%が嘔気で検査できずと記載あり)
2.AI診断といっても、写真だけでなく細かい問診 (体温や関節痛など)も併せて評価します。治験の行われた冬 (2019/11/1~2020/1/21)に成人に体温39度の高熱があれば、インフルエンザの可能性が高くなるのはあたりまえです。
3.数秒~数10秒で判断でき時間を短縮とありますが、問診情報の入力に時間を要するで しょう。
4,インフルエンザ診療は周囲の流行状況を含めた問診と抗原検査で不自由なし。検査の負担に関しても、少し感度は落ちてしまうかもしれませんが、激しく嫌がるお子様は、鼻をかんでいただいた鼻汁から検査することも可能です。
といったところです。
値段は、機械本体が140万円。AI診断のためのシステム利用料が年間60000円なり~😲 こんな高価なオモチャはいりません。これを買うなら、エコーや聴力検査などもっと有意義なことに投資したいです。