新型コロナウイルスの嗅覚・味覚症状について

 今日は、新型コロナウイルスに感染した方より、比較的相談いただく、感染後の嗅覚・味覚症状についてお話ししたいと思います。

 厚労省の新型コロナ診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメントをもとにまとめました。参考文献がそちらをご参照ください。

          000952747.pdf (mhlw.go.jp)

 

 まず、嗅覚・味覚障害新型コロナウイルス感染症の流行が始まって以降、特徴的な症状とされてきました。

 

オミクロン株BA.1系統流行期にその頻度は減少しましたが、BA.5系統流行期では再び増加しております。

 

COVID-19診療の手引きを基に作成

嗅覚・味覚障害は、鼻汁・鼻閉など他の上気道炎症状を伴う事なくみとめる場合があるのも特徴の1つです。

 

経過としては、発症当時は高度の障害であるにもかかわらず、多くは数週で改善します

英国の調査では1週間後に80%が改善を示しております。わが国の調査では、発症直後は62%が嗅覚脱失でしたが、発症後平均9日の時点では、30%にまで減少していました。

 

その一方で、数ヶ月にわたり改善しないケースも少なからず存在します。

わが国の報告では、

 

 

嗅覚や味覚が障害されていなくても違和感のある場合(例.においがこれまでと違う)

時も注意が必要です。

 

対応としては、

大部分は自然軽快しますので、2週間は経過観察させていただきます。

その後は、嗅覚検査, 鼻内視鏡検査 (不可欠), CT (可能であれば)を必要とするので、

大きな病院の耳鼻科宛に紹介させていただきます。