先日、手足口病について解説させていただきましたが、かなり内容盛りだくさんだったと思います。もう少しコンパクトにという方のために、簡易版を作成しました。外来でもすでに配布を始めております。
1.手足口病とは
・名前の通り、手・足・口周囲に発疹をみとめる疾患です。
・原因となる、エンテロウイルスは100種以上の血清型を有しております。
・夏に流行します。
・1歳代に最も多く見られ、5歳以下が90%を占めます
2.感染経路は
・上気道からの飛沫あるいは糞便を介した経口感染により伝播します。
・オモチャを介した感染など、間接的な接触感染もありえます
・咽頭からのウイルスの検出は1週間未満ですが、糞便からは1~2ヶ月の期間、ウイルスが検出されます(ウイルスは腸管で増殖するからですね)。
・アルコール消毒は無効なので、石鹸を用いた手洗いが重要です。
3.症状
・潜伏期は2~7日で、発熱 (≦3日), 発疹, 口内痛,食欲不振などをみとめます。
・発疹は口腔粘膜,手のひら, 足のうら中心に2~3mm大の水疱性発疹をみとめます
が、原因ウイルスによっては、臀部や体幹にもより大きな発疹をみとめます。
・治癒1~2ヶ月後に爪の脱落をみとめることがあります。
・一般的には軽症で、数日~1週間で治癒します。
4.治療と登園の目安
・特効薬はなく自然に治癒するのを待ちます (発疹に対する塗り薬もありません)
・食事について:具を小さくする, 柔らかくするなどして負担を減らしましょう
・登園の目安は、解熱後1日以上経過して普段の食事ができること、です。
もっと詳しく知りたい方は
2022.8.17作成 まなべ小児科クリニック 副院長 真部哲治