【発達支援】不登校

 先日、こども発達支援研究さんの「不登校」をテーマにした講演を視聴しました(講師:前田智行先生)とてもいい講演でしたが、時間がなく、前半戦しか視聴できませんでした😭。演者の先生に迷惑がかからない範囲で、講義内容の一部を紹介しつつ、不登校についての記事を書いていきたいと思います。

 不登校は、文部科学省より、ざっくり言うと、身体的、経済的な理由を除き、30日以上欠席した者と定義されています。私は、高校3年生の時に、数学の授業についていけなくなったことと、このまま親の敷いたレールを歩き医学部を受験する自分の人生に疑問を感じたこと、を理由に30日欠席しました。ぎりぎり不登校に入ったんですね。

 文部科学省の令和2年の調査によると、不登校の生徒さんの割合は増えております。

 R2児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要 (mext.go.jp)

2010→2020年間の3年間で、小学生は1000人あたり3人→10人、中学生は27人→40人に増えております。

グラフはhttps://www.mext.go.jp/content/20201015-mext_jidou02-100002753_01.pdfより引用しつつ表を作成

不登校の理由としては、生徒・児童に直接聞いた調査 (複数回答あり)では、小学生は、1位「先生が怖かった」29%  2位「体の不調」26%  3位「生活リズム」「友達」の順に多かったようです。その一方で、先生側の回答では、教員との関係を巡る問題と回答しているのが1.9%のみで、そのギャップが興味深かったです。

また、自閉スペクトラム症の人は定型発達の人と比較して不登校になりやすい、という海外の論文データも紹介してくださいました。

 

診療の現場では、先生との関係、友達関係(先生に注意されると他の同級生に攻撃されやすいですよね)、勉強についていけない、など色々な要因がきっかけになって、体調不良→不登校となる子が多いです。少し詳しく生育歴を確認していくと、未診断の自閉スペクトラム症の子の可能性は比較的高いです(統計をとっていませんが1/3~1/2ぐらいでしょうか)

 

では、アプローチとしては、どうすればいいのでしょうか?

興味深いことに、文部科学省も令和元年に、学校復帰だけが不登校支援の目標ではないと明記しております。「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日:文部科学省 (mext.go.jp)

フリースクールなど他の機関を含め、社会的な自立を目指していくと言うことですね。

この地域にはまなピタネットという不登校支援のネットワークがあります。

Home | manapita (jimdosite.com)

ぜひ、ご活用ください。

 

医療面からは、発達障害のアセスメントと保護者への特性の説明、無理に学校への登校を促さない、本人・家族が学校への復帰を目指したい場合は、環境調整の橋渡しをする。過去には、市内の別の小学校へ転校という形で解決したお子様もいらっしゃいました。

 

問題点としては、当院の発達支援外来がパンク状態であることです。かかりつけのお子様ですら予約を取得するのが厳しい状態で。大変心苦しいのですが、新患さんはお断りさせていただいております。