事故の共有:リニューアル商品に含まれた卵によるアナフィラキシーショック

日本小児科学会雑誌では、小児科医が共有したほうがよい事故情報が掲載されます。2022年3月号の学会誌からの報告を共有したいと思います。

以下、学会誌の内容を一般の方向けに簡潔にまとめました。

リニューアル商品に含まれた卵によるアナフィラキシーショック

日児誌 126: 583-585, 2022
 
(概要)
11歳男児。鶏卵アレルギーあり。3歳時に食物経口負荷試験で鶏卵ボーロを摂取後にアナフィラキシーの既往あり。
卵を含まないために、以前より購入していたA食品会社のハムを使用したサンドイッチ
を摂取後に、全身の皮膚症状, 喘鳴, 血圧低下をみとめ、入院管理を要した。母親が食品包装の表記を確認したところ,製造工程がリニューアルされ卵白が含まれていた
当該商品の包装には,含有アレルギー物質が表記してあり,リニューアルに伴いアレルギー物質に変更があったことや具体的な追加アレルギー物質も記載があった。しかし、

色調は黒白で,一文字の大きさが2×2 mmと小さく,目立たない印象であった

 

これは、なかなか難しいですね。普段から摂取していたとなると、なかなか詳しくは確認しないですよね。委員会から、会社に目立つように表記をするように提案したようではあるが、それでも気付くのは難しいかもしれません。会社からスーパーの売り場でもアピールしておらうようにお願いするとか、ネットで買う人もいるだろうからamazon楽天などにもお願いするとか、後は、患者会やアレルギー関連の学会・研究会に事前に情報提供しておくとか・・・そういったところでしょうか。

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