支援を要する生徒・児童は増加している 【私の講演より】

今日からしばらくは、私が3月下旬に、当院の利用 (開発協力)している電子カルテの会社Henry主催で行った講演「発達支援外来立ち上げのポイント」の内容を一部抜粋しながら紹介していきたいと思います。

 

小児科にとって発達支援診療は必須となっております。

 

文部科学省によると、支援級在籍の生徒数は、2008年→2018年の2年間で約12万人→約26万人と倍増しております。

 

特別支援学校の生徒数や通級を利用している生徒数も同様の傾向が見られております。

 

では、支援を要する生徒は合計でどれぐらいいるのでしょうか?

2012年の文部科学省の調査で、通常の学級に在籍する小学生・中学生全体の6.5%程度
(男子の9.3%程度,女子の3.6%程度)が,知的発達に遅れはないものの学習面・行動面のいずれかまたは両方で著しい困難を示すと推定される、という衝撃的な結果が発表されました。 特別支援教育 (特別支援学校, 支援級, 通級) を受けている生徒は全体の2.9%でした。すなわち全体で6.5+2.9%=9.4%の児童・生徒が支援を要しているといえます。なお、10年前のデータなので今はもっと増加しているのかもしれません。

 

 

9.4%はどれぐらいの数字なのか?小児科医が日常的に経験する疾患と比較してみましょう。アトピー性皮膚炎のガイドライン2021によると、小学1年生の11.8%アトピー性皮膚炎を有するとされております。熱性けいれん診療ガイドライン2015によると、熱性けいれんの有病率は7~11%, 5歳までの有病率は3.4%という報告があります。

発達障害は、小児科医にとって、日常的に診るものであり、一定の対応ができる必要があると考えられます。

 

しかし、現状はどうなのでしょうか・・?

次に続く・・・