【続報】小児における原因不明の急性肝炎について 

海外の記事からの情報ですが、欧米中心に報告が増加している小児の原因不明の急性肝炎について新たな情報を紹介します。

Mysterious Cases of Severe Hepatitis Outbreaks in Children Continue to Rise | Medriva

記事前半の英国の部分は正確な情報でしたので、信頼しても良いかなと思います。

 

ほとんどが数日前のブログに記載させていただいた内容ですが、新たな情報として、

・10例が肝移植待ち

・16例が新型コロナウイルス陽性であったが、2022年1~4月はCOVID-19発症者が増加 していた時期だから、意外ではない (アデノウイルスとの重複感染例もあり)

全例が新型コロナワクチン未接種 (=新型コロナワクチンが原因ではない)

を追記します。

過去記事:

 

teammanabe.hatenablog.com

 

今度は、新型コロナウイルス感染症後の影響 (Long-covid説)も出てきました。

イスラエルではこの4ヶ月で12例の報告があり、2例が肝移植を要しました。残りの12例はステロイドの投与で速やかに回復し、退院しております。11/12例が前年に新型コロナウイルスに感染しており、肝臓の炎症は、Long covidの症状という仮説も出てきております。

 

インドでは小児の急性肝炎の入院例を後方視的 (過去にさかのぼり)調査しました。

その結果、昨年のデルタ波の時期に一致して原因不明の急性肝炎例の増加を認めました。新型コロナウイルス感染症と時間的な関係が見られたようです(これは全例新型コロナウイルス感染例ということなのか?英文の内容がきちんと理解できず、すみません💦)47例のうち、37例は肝炎症状のみで、肝逸脱酵素 (AST, ALT) の上昇がありましたが、支持療法のみ (=特殊な治療なく)で回復しております。10例は、MIS-C型肝炎で多臓器が傷害され、ICU入室を要し、30%が死亡しております。

※MIS-Cとは 過去記事 

 

teammanabe.hatenablog.com

病因不明の重度の肝炎は以前より一定の割合で見られていました。しかし、短期間で報告例が増加しており、今後もその動向には注意が必要です。

 

原因として、アデノウイルス感染症の他に新型コロナウイルスが関連している可能性も浮上してきましたが、まだ推測の域を出ません。

有用な情報が入りましたら、随時更新させていただきます。

 

ACイラストよりダウンロード