自傷や薬物乱用の講演を聴いて

先日、東京都小児科医会の学術講演会のWeb参加させていただきました。参加した一番の目的は、「乳児の血便」をテーマとした講演だったのですが、何気なく再生した、

自傷・自殺・薬物乱用の理解と援助」(講師:国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部 松本俊彦先生)の内容が衝撃的で、開始、数分で引き込まれてしまいました。

これまで、リストカットは、頻度はとても低く、小児科とは無関係と思っておりました。驚くことに、10代の1割にリストカットの経験があり、そのうち60%は10回以上繰り返しているようです。開始年齢は12~13歳でなので、小児科医であれば遭遇する可能性は十分にあります。さらに衝撃的だったのは、大人が気づけるのは3%のみとのことです。講演では、リストカットの将来的な自殺のリスク, リストカットの目的, リストカットへの対応などのお話がありました (ここでは詳細は記載しません)。また、薬物乱用についても話がありました。以前とは、薬物乱用の層は変化しており、乱用するのはごく普通の学校に通っている、高校生のようです 。

これまで、こうしたテーマは小児科医とは別の世界の事のように感じておりましたが、

これは間違いということが分かりました。当院での継続した対応は難しいですが、初期対応としかるべきところにつなぐことは出来るかと思います。さっそく、土曜日のカンファでこの講演の内容をスタッフ間で共有しました。