今日は、小学校で困ることを減らす親子遊び10. 監修:木村順 (小学館)を紹介します。
前回、ご紹介した、発達障害の子を理解して上手に育てる本 幼児期編の続編です。
発達が気になるお子様は、感覚調整障害といって、脳における感覚の処理がうまくいかないことがあります。それにより、感覚が敏感であったり、鈍感(低登録といいます)
であったりします。
例えば、前庭感覚という場タンスや覚醒に関連する感覚が、過剰に働いていると、重力不安・姿勢不安により、水泳・跳び箱や鉄棒を怖がります。また、低登録だと、姿勢の崩れやじっとできないにより先生から注意されてしまうこともあります。
こうした感覚調整障害に対して、家庭でできるアプローチが記載されています。トランポリンのとばせ方は大変勉強になりました。アカデミックスキルやコミュニケーションスキルへの遊びを取り入れたアプローチについても記載してあるのが良いですね。一番最後に、就学・就労に向けてやっておきたいこととして、父親も子育てに参加する、それが難しければモデルになってくれる大人の男性を探す、が書かれていたのも印象に残りました。
この本の注意点としては、著者等も言及しておりますが、学習の問題において、感覚調整障害へのアプローチが有効な可能性があるのはごく1部です。眼球運動が弱く、字がきれいに書けない, 板書が負担、という子には有効だとは思います。しかし、脳の機能の問題で、文字を読むのが負担という子には別のアプローチが必要になってきます。
感覚調整障害へのアプローチは、私の診療の柱の1つになっております。この本はクリニックの本棚の上段に入れておきますので、ぜひ、ご覧ください。