【発達支援外来】お母様からのご相談 「ゲームがやめられないんですけど・・・」

発達支援外来に限らず、どこの家庭でもあるお母様の悩みかなと思います。

 

高機能自閉症アスペルガー症候群への思春期・青年期支援―Q&Aと事例で理解する 
井上 雅彦  (著), 井澤 信三 (著)

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に参考になる部分がありましたので共有させていただきます。

 

習い事の契約書のようにあらかじめルールを決めておきます

習い事も、無断欠席は振り替え授業なしなどルールがありますよね。

 

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上記著書より引用

ゲームの場合

ルールを作る理由を、「勉強しないから」ではなく、「あなたの睡眠が少なくなり、身体をこわすのが心配だから」と説明します。

勉強しないからだと反発を招くかもしれません。

例えば、ゲームは1日2時間などルールを決めます。それが守れた場合の報酬  と守れなかった場合の罰則を考えます。

報酬はポイント制にしてもよいと思います。例えば、5ポイント集まった場合はゲーム時間5分延長、50ポイント集めたらゲームソフト購入など。

(簡単で良いので、日々の記録用紙も必要です)

罰則は、ゲームを1日没収などです。1週間など期間がながいと罰則としての効果がなくなるので、1日が妥当でしょう。

また、ルール作りは、本人も一緒に行う、お父さんも一緒に作る (これが難しい場合は病院の先生や放課後デイのスタッフなど)のもポイントです。

3ヶ月毎など定期的に見直すこともルールに入れておくとよいかもしれません。

 

定期試験前にかんしゃくをおこす中学生

家庭内で暴れる・叫ぶ→近所から苦情がくる、という主訴で相談に来られたケースを想定します。きっかけを確認すると、定期試験前で、保護者に「勉強しなさい」と言われたのがきっかけでした。また、その生徒さんはリビングで勉強することが多く、だしっぱなしにしておいたものを勝手に片付けられたことがきっかけになったこともあります。本人に確認すると、叫んでいる間は辛い気分になるようです。

そこで、○○の状況 になったら保護者が声をかける、リビングに○○日間出しっぱなしなら片付けるなど2人でルールを決めて明文化してもらうことにしました。

 

家庭内喫煙をやめてくれない夫

これも外来あるあるですね。これは一緒の病気 (中毒)なので難しいのですが、出来ることを考えて見ます。

ルールを作る理由を、「家庭内が臭くなる・子どもの健康のため」ではなく、「あなたの健康が心配だから、一緒に長く人生を楽しみたい」などと説明します。

子どものためだけでは、ニコチン中毒の方には動機付けとして弱いかもしれません。

この場合も夫婦で話し合ってルールを決めます。屋外なら喫煙してもよいが、家庭内で喫煙は禁止、など。いきなり家庭内完全禁止が難しければ、「○時~○時まで、自分の部屋で窓を開けて」など緩く始めても良いかなと思います。

報酬と罰則も決めておきます。報酬は、○日間連続で守れたら日曜日のゴルフ1回可、罰則はタバコを1日没収など。

しかし、ニコチン中毒への対応はなかなか難しいですね。どのような健康の害があるのかを定期的に発信していきたいと思います。