【学会メモ】成人の食物アレルギー& 当院での食物負荷試験最高齢は?

学会メモでは、各種学会のオンデマンド配信でとても有用だった内容を紹介しております。今回は、日本アレルギー学会より。成人の食物アレルギーについての講演で印象に残った部分を、演者の先生の迷惑にならなさそうな範囲で共有させていただきます。

 

・成人の食物アレルギーは稀ではないが、対応できる医師は少ない。演者の先生は1人で年間300~500人の新規の患者さんに対応していた(今は2人に!)

・学生教育に力を入れており、授業ではアナフィラキシーのシュミレーション。

 平均4-5回で確実に対応できるレベルに。 

・救急科など他科の先生にもアナフィラキ対応について講義している

 

花粉食物アレルギー症候群 (Pollen Food Allergy Syndrome: PFAS) について

最初に花粉に反応し、その後花粉と構造の似た果物・野菜に広範囲に反応するようになる。基本的に、喉のかゆみや耳のかゆみなど口腔内症状のみであるか多量摂取や運動とのコンビネーションによりアナフィラキシーを起こすこともある。

Topicsとして、咳嗽のみ認める場合がある。慢性咳嗽を主訴に紹介された男性が

実はメロンによるPFASだったという症例提示があった。

食物アレルギーは、経消化管感作と経皮膚感作だけでなく経気道感作も注目されつつある

 

アニサキスアレルギーについて

未診断例は意外と多いかもしれない

先生の立ち上げたアニサキスアレルギー協会の紹介

- 一般社団法人 アニサキスアレルギー協会 (anisakis-allergy.or.jp)

 

とにかく色々なことに精力的に取り組んでいる熱い先生でした。

 

当院では過去に70歳の方の負荷試験を実施したことがあります。足柄上病院時代の私の行きつけの肉八の大将からの依頼でした。肉八 - 松田/すき焼き | 食べログ (tabelog.com)

豆腐屋さんの濃厚な豆乳を摂取後に歩いていたらアレルギー症状を認めたようです。近医で大豆のアレルギー検査を受けましたが、大豆<0.1と陰性で原因不明のままになっていたようです。当院に受診した際に、私の酒を飲み酔っている姿しか見ていないのか、医師だったのは本当だったんだ・・と驚かれていました😅。Glym4という大豆の蛋白を検査したらしっかり数値が上がっており診断できました。ハンノキというシラカバ系の花粉の数値も上昇しており、ハンノキ花粉症をベースにした豆乳のPFASと診断しました。なお、その方は、市販の豆乳は大丈夫か確認したいという希望がありましたので、食物経口負荷試験を実施しました。市販の豆乳を50ml摂取し、喉のかゆみが出現したので中止しました。その方から、これから忘年会シーズンで豆乳鍋も出る。喉のかゆみぐらいなら摂取してもよいか?と質問をいただきましたが、お酒と一緒に摂取すると強い症状が出るのでやめておいた方がよいですよ、とお話しました。後日、肉八でお会いしたときにその方は約束を守ってくださったと聞きました😌

 

もう肉八に2年以上行っていないなぁ。親父は元気かな~