【論文紹介】乳児のおむつかぶれに対するふき取りローションの有用性

おむつかぶれについて勉強しているうちに、2021年に発表された論文をみつけたので

共有させていただきます。

 

筆頭著者:藤浪未沙

タイトル:乳児のおむつ皮膚炎の発症予防に対するふき取りローションの有用性の

     検討

雑誌:日本小児皮膚科学会雑誌, 40; 117-125, 2021

 

まずはざっくりとした結果から、

ふきとりローション使用することで、おもつ皮膚炎が改善する

 

詳細は以下です。

対象となったのは、おしりのあれやすさを保護者が感じている、生後1~6ヶ月児でした。なお、びらん (皮むけ)のある赤ちゃんは対象に含まれていません。

方法は、おしり用ふき取りローションを使用した21名とローション非使用 (おしりふきを用いて排泄物を拭き取る)の12名で4週間の経過を比較検討しております。評価項目は、皮膚科医の評価した皮膚スコア, 機器により測定した紅斑 (=あかみ)量と皮膚pHなどです。

なお、ふき取り用ローションは、ナチュラサイエンス社製の「ママ&キッズ ベビースキンフレッシュナー」が使用されています。

www.natural-s.jp

対象の背景です。ローション使用群と非使用群で差はありません。

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文献より引用

結果です。

1) 皮膚科の診察による皮膚所見スコアは、ローション使用群 (赤) が有意に低下

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文献より引用

2) 機器による紅斑測定も、ローション使用群が有意に低下

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文献より引用

3) 皮膚pHの変化は両群で差はなし

皮膚のpH上昇 (アルカリ化)もオムツ皮膚炎の悪化の要因とされている。

ふきとりローションは弱酸性で、皮膚pHを低下させるには至らなかった。

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文献より引用

 

感想

タイトルは、乳児のおむつ皮膚炎の発症予防に対するふき取りローションの有用性の

検討となっているが、軽症~中等症のオムツ皮膚炎んたいするふき取りローションの有用性の検討とする方が妥当であると思われます。いずれにせよオムツ交換時に洗い流すという指導が重要と言えますね。我が家では、シャワーで流すのは手間がかかるので、霧吹きのようなものでお尻を流していました(保温器のようなもので温めていたな~)。わざわざ高い商品を買わなくてもこれでだいぶ対応できます。でも外出時を考えると1本ぐらいは持っていてもいいかもしれないですね。