乳児~大学生における新型コロナ感染拡大の特徴と対策

今日は、8/20に国立感染症研究所より発表された、乳幼児から大学生までの福祉施設教育機関(学習塾等を含む)関係者の皆様への提案 

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/10601-covid19-19.html

を紹介します。

感染パターンの特徴として、

・10代以下の感染者が増加傾向

保育園・幼稚園:園児の感染例が増加

小学校:教職員を発端とした、比較的規模の大きなクラスターが複数発生した

児童を端緒とした、同じクラス内等の規模の小さな感染伝播は多く見受けられたが、児童間の感染伝播が規模の大きなクラスターに至ったケースは確認出来なかった

障害児通所支援事業所での感染が各地で散発しており、長期化する場合がある
学習塾における比較的規模の大きなクラスターが散見される
・中学生以上では、部活動等・寮生活において、感染予防策の不十分な学生の長時間の交流が感染伝播に寄与していた。特に部活動等において、最近は大会や遠征時のクラスターが複数発生した
・感染しても無症状・軽症が多く行動範囲も広い大学生は市中で感染が拡大する要因の一部を占める
・特にデルタ株流行後、小児から家庭内に広がるケースが増えている

こうした傾向より、外来の問診でも、学習塾, 学童の利用や部活の遠征について確認しているのです。

 

上記を含めての対策が提案されていましたが、ほとんど当たり前の事でした。

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https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/10601-covid19-19.htmlより

気になったのは、部活動の園をまたいだ遠征への対応が厳しい(というか方向性を間違えている)ことぐらいでしょうか。やむを得ず県境をまたいだ遠征が必要な場合には、出発前3日以内(出来るだけ出発当日)を目途に、抗原定量検査あるいはPCR検査を受ける、と記載がありました。抗原検査は無症状の方には有用でないし、PCRでも感度は約70検査検査時期によってはさらに下がります。それよりも、体調が少しでも悪い時に、休みますと言いやすい環境を作るのが大事ではないでしょうか?外来で中高生より、新型コロナワクチン接種した翌日にだるくても、部活を休ませてくださいといいづらいという声をよく聞きます。カゼをひいたりケガをしたときも同様のようです。まずは、部活を欠席しやすい環境を作る方が大事だと思います。

学習塾も同様だと思います。保護者はお金がかかっているから体調が多少悪くてもいかせたい・・。学習塾の方でも、講義のYoutubeを後で配信する、個別での質問に対応するなど、生徒が欠席しやすくする工夫をすることが求められると思います。