学びの多様性

昨日は、地域の不登校支援のネットワーク「まなピタネット」の主催で7/31に開催された「学びのビュッフェ」を視聴しました。(私もこのネットワークに所属しております)

基調講演として、不登校となった子のためのNPO法人を運営している和田重良先生より話がありました。 NPO法人 くだかけ会

そこでは、合宿を通じて、田植えや調理など実生活の体験を積むことを大事にしています。不登校や引きこもりとなったお子様はバーチャルの体験はできるのですが、実体験が少ないからです。また、早期の結果を急がず、大学受験に間に合えばいいやぐらいでよいとおっしゃっていました。

実際に、小学校時時代の不登校があり、くだかけ会に入会し、高卒認定を取り、アメリカでパイロットになった子やトリリンガルとなり企業に就職した実例も紹介してくださいました。

最後に保護者からの「勉強しないので心配です」という質問に対しての、「勉強はしばらく空白期間があっても後で追いつける。」というコメントも印象的でした。

医療者としては、ついフリールースクールをきっかけとした学校への復帰を目標としてしまいますが、それが全てではなく、色々な道があるんだなと改めて実感しました。

また、合宿を通じて、田植えや調理など実生活の体験を積むというアプローチは納得できます。この話が出た時に、私の小学校低学年の時の話を思い出しました。私はても育てづらい子だったようで、自分自身も周囲との違和感を感じており、自己肯定感も低い状態でした。母はとても疲れており、小学校3年生の私を自然生活を営む団体に1週間預けました。そこでは、色々な年齢の子がおり、いくつかのグループに分けて、洗濯や料理など役割分担をして過ごしました。あまり記憶はありませんが、そこでの生活を通じて、自分に自信がついたという感覚は覚えております。

とても素晴らしい講演でしたが、その一方でいくつか疑問も・・・

疑問1:そもそも不登校の子は合宿の参加もハードルが高いのではないか?

疑問2: ゲーム依存状態となっている子のお子様はどうアプローチしていけばよういのか

疑問3:長期的な展望でという話があったが、中学2,3年生で不登校になった場合はどのように考えればよいのか?、などなど

これらに関しては、機会があれば和田先生の直接意見を伺ってみたいなと思います。

学びの道は、学校だけの一本道ではなく、色々な道がある、これをより意識して診療にあたりたいと思います。