新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシーについて、厚労省が発表した7/11までのデータを紹介します。
https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000809338.pdf
期間の延長とモデルナ社製ワクチンの情報の追加が前回からの変更点になります。
前回記事は5/30までのデータです
2021年2月17日~7月11日の期間に、医療機関よりアナフィラキシーとして報告されたのは、100万回接種あたり30回でした (約3.3万回に1回) 厳密にアナフィラキシーの定義を満たすのは、100万回接種あたり6回でした(約16万回に1回)
医療機関からは軽度のアレルギー症状も、アナフィラキシとして広く報告されていたのかなと思います。なお、厳密なアナフィラキシーの定義とは、ブライトン分類1~3になります。ブライトン分類とは? https://www.pmda.go.jp/files/000240175.pdf
なお、モデルナ社製ワクチンは、医療機関よりアナフィラキシーとして報告されたのは、100万回接種あたり25.3回(約4万回に1回) で、厳密にアナフィラキシーの定義を満たすのは、100万回接種あたり1.1回でした
注意) 両者の接種本数が大幅に異なるので、これだけでは、モデルナ社製ワクチンの方がアナフィラキシーを起こさないとはいえません。
食物アレルギーがあるだけでは接種を避ける必要はありませんが、GINA (Global Initiative for Asthma) によると、ポリエチレングリコールに対して重いアレルギー反応を起こしたことがある場合は推奨しておりません。ポリエチレングリコールは医薬品や一部のワクチン、化粧品などに含まれております。小児科で比較的よく使う、便秘の治療薬のモビコールRはポリエチレングリコール製剤ですね。
接種の判断の一助となるよう、引き続き新しい情報を更新していきたいと思います。