先日、外来で鶏卵とキウイにアナフィラキシー歴のある中学生のお母様より「新型コロナワクチン接種を受けたい気持ちがあるのですがアナフィラキシーを本人も心配しております」と相談がありました。
結論として、鶏卵・キウイと新型コロンワクチンは無関係なので、それらのアレルギーのせいで接種後のアナフィラキシーのリスクがあがることは心配しなくても大丈夫ですよ、とお話ししました。
アナフィラキシーについて、少し古くいですが、厚労省が発表した5/30までのデータを紹介します。
https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000791617.pdf
2021年2月17日~5月30日の期間に、医療機関よりアナフィラキシーとして報告されたのは、1263件/ 13,059,159回接種で、100万回接種あたり97回でした (約1万回に1回)。
このうち、厳密にアナフィラキシーの定義を満たすのは、169/1263件で、100万回接種あたり13回でした(約7万7000回に1回)。
医療機関からは軽度のアレルギー症状も、アナフィラキシとして広く報告されていたのかなと思います。なお、厳密なアナフィラキシーの定義とは、ブライトン分類1~3になります。ブライトン分類とは? https://www.pmda.go.jp/files/000240175.pdf
食物アレルギーがあるだけでは接種を避ける必要はありませんが、GINA (Global Initiative for Asthma) によると、ポリエチレングリコールに対して重いアレルギー反応を起こしたことがある場合は推奨しておりません。ポリエチレングリコールは医薬品や一部のワクチン、化粧品などに含まれております。小児科で比較的よく使う、便秘の治療薬のモビコールRはポリエチレングリコール製剤ですね。