【本の紹介】アスペルガー症候群とパニックへの対処法

最近、アスペルガー症候群とパニックへの対処法(東京書籍)を読み終わりました。

アスペルガー症候群とパニックへの対処法 | ブレンダ・スミス・マイルズ, ジャック・サウスウィック, 冨田 真紀 |本 | 通販 | Amazon

アスペルガー症候群という言葉は最近は使われなくなりつつありますが、知的障害のない自閉スペクトラム症をさします。

自閉スペクトラム症の児は、一見すると何の理由もなく、突然パニックやかんしゃくを起こすように見えますが、必ず原因があり、ある共通のパターンがあります。

前ぶれとなる動揺期の行動がしばらく続き、その後に突発的なパニック発作 (暴発期)が起こり、その後、回復期に入ります。

 

動揺期

パニック発とは無関係に見える特有の行動の変化を見せます。爪かみ、唇のかみしめ、声のトーンが下がる、貧乏ゆすり、表情のゆがみ、その他の漠然とした不安の表れなど。この段階で気づき、抑止するための方策を取ることが大事です。

暴発期

たいていは急速に始まります。また、その場の状況とはまるでかけ離れた激しさで起こり、抑制が効かなくなります。自傷行為を認めることもあります。ひとたび暴発機に入ったら、子どもは理性的な考えはできなくなります。したがって、パニック発作中のこどもに対して怒ったり、道理を説いても効果はなく、自然に収まるのを待つしかありません。こども本人はその行動を喜ぶわけではなく、それを止めてもらえることを望んでいます。

回復期

パニック発作の後は自責の念を抱いて自分のしたことを覚えていないことがあります。不機嫌になったり、内に引きこもったり、過ちを認めないこともあります。まずは、その生徒がいつもの教室に戻れるように援助していくことが大切です。そのうえで、受け入れ可能な時に、生徒が理解できる形で対話していくことが大事です。

 

本書は、動揺期の段階での対応法, パニック発作の誘引の分析, 回復期の対応の仕方などについて様々なアイデアが紹介されていました。教師だけでなく、全ての支援者に手にとって読んでいただく価値のある1冊です。

 

クリニックの本棚に入れておきますね。

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