日本ダウン症療育研究会に参加しました

週末はWebで日本ダウン症療育研究会に参加しました。

ダウン症児の身体機能とリハビリテーション」(演者:昭和大学リハビリ科;真野英寿先生)では、ダウン症児の筋緊張低下の特徴と運動発達を促すアプローチについて学びました。1日数分でできる足のマッサージについて紹介されていました。外来でも紹介できればと思います。

詩は生きる力~言葉をはぐくむためにした事・しなかった事」(演者:村上喜美子さん, 有香さん) ではこれまでの育児と有香さんの詩集が紹介されました。愛されている自信を持たせる, 心を汚さない(他人の悪口を言わない), 自己肯定感を高める, 否定しない, 感情的に怒らない算数はプロに任せる、など。算数は教えるのが難しく、お互いに煮詰まり、親子関係が不安定になる危険があるようです。お母様のオリジナル教材や有香さんの成長の記録が以下で紹介されていますYUKAのおもちゃ箱 (ameblo.jp)

最近、出版された詩集「弱いはつよい」【発売】『弱いはつよい』(村上有香 著/伊藤美憂 絵)発売 | 株式会社 風鳴舎 (fuumeisha.co.jp) の一部も紹介していただきました。言葉のエネルギーを感じながらも(言霊というんでしょうか)癒される、そんな詩集かなと思います。早速、注文しました。

言葉を育てるかかわり」(演者:大阪医大LDセンター; 水田めくみ先生)では、絵本を使った、インリアルというアプローチ方法が紹介されていました。ダウン症児は、インプット>アウトプットの状態となっている児が少なくない。すなわち、意志の表出に、言葉よりも、身振りや指差しを用いることが多い。絵本は、注意が絵本に集まり共同注意が生じやすい, 簡潔な文・リズムな韻の強調により、言葉や文への注意が高まる, 発語・発話が予測でき、子どもが言語で反応する機会を増やす(例.いないない・・・ばぁ。大人がいないない、と読んで間を置くと、子どもがばぁと発する)などの理由で、発語を使ったやりとりを促すのによいツールのようです。

ダウン症児の医療介入について」(演者:大阪医科大学小児科; 黒柳裕一先生)では、ダウン症のお子様に起こりうる全身の合併症について、内分泌疾患を中心に話して

くださいました。とても分かりやすく、頭の中が整理できました。ダウン症の児は、甲状腺疾患の合併が想像以上に多い, 身長は低く一般の基準値で評価してはいけない、など大変勉強になりました。

当院では、ダウン症の方の受診は少ないですが、学んだことを還元できればと思います。