いよいよ今日からワクチン接種が始まりますね。予防接種は赤ちゃんにとって最初
のお仕事です。スケジュールの把握や副反応についてご不安な方もいらっしゃるかと思います。ご不明な点や心配なことがありましたらお気軽にご相談ください。
スタッフ一同、丁寧にサポートさせていただきます。
注射のワクチン (Hib, 肺炎球菌, 4種混合, B型肝炎)
について
1.約20%の方に、接種部位の1cm以上の赤みや腫れをみとめます。
→数日で自然軽快します。
2.約10%の方に発熱をみとめます。
体がワクチンの病原体に対する免疫を作るのですが、その中に発熱を起こす性質のもの
が含まれているからです。
発熱は、接種後2日以内、特に接種日の夜や翌日の朝が多いです。
基本的に症状は発熱のみで、39度前後まで上がることもあります。
比較的元気で、明らかな哺乳低下がなく、およそ半日(長くても1日)で解熱します。
元気がない, 呼吸が苦しそう, 発熱が半日以上続く場合は念のために受診しましょう。
3.ワクチンの同時接種による、発熱や接種部位の腫れの増加はありません。
経口ワクチン (ロタウイルスワクチン) について
1.一般的な副反応
・大部分が接種後1週間以内に発現します。
・数%の方に、発熱, 気分変化, 下痢などを認めますが、自然に軽快します。
・元気で哺乳良好であれば、自宅で経過観察可能です。
2.腸重積について
腸重積とは、大腸に小腸が入り込み通行止めになる状態です。
まずは、腹痛が出現します。赤ちゃんは痛みを訴えることができないので、機嫌不良となります。次に、飲んだ母乳やミルクの嘔吐を繰り返します。さらに時間が経過すると血流障害を起こし、血便をみとめます。大部分が接種後1週間以内に発症します。
腸重積であった場合、発症から12時間を超えると、手術になる確率が高くなるので、
疑った場合は緊急で大きな病院を受診する必要があります。高圧浣腸という、高いところから造影剤を肛門に注入し、その圧で入り込んだ部位を元に戻します。
なお、当院で使用しているロタウイルスワクチン接種後の腸重積の頻度は約15,000人に1人とまれです。ワクチンを接種しない場合と比較すると、接種後の腸重積発症リスクの増加は2~10万人に1人とわずかであり、接種による胃腸炎予防効果のメリットの方が大きく上回ります。
その他
Q.入浴してもよいでしょうか?
A.大丈夫です。
参考文献
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日農医師; 64 (5): 798-807, 2016
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