誤解しやすい~ワクチンの有効率

昨日はテレビは新型コロナウイルス感染症一色でしたね。ミヤネ屋という日テレの番組に、ダイヤモンドプリンセス号の感染対策の問題点をSNSで指摘し話題になった、神戸大学感染症課教授の岩田健太郎先生が出演しておりました。今回の緊急事態宣言は政府からのメッセージが弱い, 現状ではすでぬロックダウンが必要な状況とコメントしておりました。全体的に辛口のコメントでしたが、昨日の朝日新聞によると新型コロナウイルス感染者用・重症者用のベッドですぐに使用できるものは残7床であり、決して言い過ぎではないと思いました。

さて、今日は、新型コロナウイルス感染症への切り札として期待されるワクチンの有効性について解説したいと思います。最近、新聞で、"ファイザー社とモデルナ社のワクチンは有効率90%以上"などと記載されていますよね。この有効率は、一般の方が誤解しやすいところなのですが、新聞ではあまり触れられておりません、。

例えば、1000人の方にワクチンを接種し、そのうち200人が新型コロナウイルスに感染したとします。その一方で、ワクチン接種をしなかった1000人のうち500人が新型コロナウイルスに感染したとします(架空の数値です)

表にしてみると、

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ワクチンの有効率は、1000人の人に接種し800人がかからなかったから、80%というのは誤解です。正しくは、次のように考えます。ワクチンを接種した人は、1000人中200人が発症 (発症率20%)、その一方でワクチンを接種しなかった人は、1000人中500人が発症 (発症率50%)です。ワクチンの有効率は、(50-20)/50=60%と考えます。これは、ワクチンを接種せず発症した500人がもしワクチンを接種していたら、発症者を200人に減らせたという意味です。「有効率」というより「発病を減少させる割合」という表現の方が理解しやすいかもしれません。

ワクチンについては、私も知識を整理中ですが、随時アップデートしていければと思います。