発達障害のある子のゲーム依存

先月の20日までWebで配信されていた日本児童青年精神医学会のシンポジウムで、鳥取大学井上雅彦先生の発表発達障害のある子どものインターネットやゲームへの依存に対する理解と対応」より学んだことを記事にします。

 

1.子どものインターネットの利用状況について

【子どもと保護者のインターネット利用】

・子どものインターネット利用時間/日は、2017年度, 約159分, 2018年度, 約169分

・利用目的は趣味・娯楽が多く、2018年度は106分

・学校種が上がることに長時間傾向。高校生は26.1%が利用機器の合計で5時間/日以上

 使用。

・保護者の利用平均時間は136分。43.7%が2時間以上利用。

【子どもと保護者の認識にはギャップがある】

家庭でインターネットの利用ルールを決めていると回答したのは、子ども65.1%に対して、保護者は83.5% 

【保護者の情報源】

学校からが最も多い(保護者会, PTA会合, 配布された啓発資料)

 

2.インターネットの利用と発達障害について

発達障害との関連】

・多動・注意欠如 (以下ADHD), うつ病は青年期のインターネット依存と関連

・成人ADHDとインターネット依存は関連 (特に、不注意と衝動性)

自閉スペクトラム症 (以下ASD)はビデオゲームのプレイ時間が定型発達児より長い

発達障害のある児の保護者1465名を対象とした子どものインターネット依存に関し

 ての演者らの実施した調査

 1)ネット依存傾向に対する保護者の不安は高い

 ネット依存傾向を現在感じているが 65%, 以前は感じたが今は改善が9%

    IADQというゲーム依存を評価するスコアで5点以上(依存性が高い)は31% (450名)

つまり、実際に依存性が高い児は31%だが、65%の保護者が不安を感じている

 2) ADHDASDや精神発達遅滞 (以下MR)より有意にスコアが高い (依存傾向)

   3)  依存度の高い450名について

 ・端末を適時貸す, 使用時間を決める, ルールを子どもと話し合うが、特に困難

 約束していて守れる<約束をしているが守れないとなっている

 ・半数近くが「不登校・行き渋り傾向」「暴言・暴力」

 3.発達障害のある子のインターネット利用への対応

発達障害のある子どもの場合の対応】

・ゲームにはまる要因

日常生活の困難→不安高い・自尊心低い→回避としての機能 +制御困難という特性

※日常生活の困難について保護者の理解が必要

・本人参加でのルール作り~ルールの見える化, ルールの徹底と機器の管理

・日常生活へのアプローチ 対人関係・学習への支援, 余暇スキルの支援など

【ゲームへのアプローチ】

・どんなジャンルのゲームにはまってるいるのか知ろう

どうしたらプレイヤーが集まるのか, どうしたら続けてプレイするのか, どうしたら課金するかを一流のアナリストが知恵を絞っている

・V-Bucksというゲーム内で使える通過が必要

 裏技を使う~ポイントサイトへ無料登録, 広告やアンケートでポイントを稼ぐ, ポイントをギフトコードに換えてV-Bucksを購入。悪質サイトへの誘導に注意

・チャットについて 

危険性について話し合う、メリットを認める

ルールを決める 例:〇友達, ×先輩, 友達の友達

【日常生活へのアプローチ】

・背景にある困難さ不安さを理解しアプローチする

 コミュニケーションへの不安, 学習への不安, 衝動性や興味の限定

・学校や家庭での安定した環境

・代替活動(リアルの世界での趣味を探そう)

有効なチャンネルを探す~誰のアドバイスが有効なのか?

【ネットゲーム以外の行動を増やすには?】

親とのコミュニケーションがまず前提~徐々に約束できる関係に

 母親からの否定的声掛け→反論・回避

 本人の好みの話題→返答しやすい

・ゲーム以外の行動=学習はハードルが高い

はまっているゲームの種類により代替する余暇は異なる

 例.フィッシング(ルアーづくり含めて), 鉄道, サバイバルゲームなど

 

(コメント)

まずは保護者と子どもの関係づくり→日常生活への不安の改善→余暇支援ですね。簡単には行かないことが多いが、保護者を支えつつ、焦らず、地道に対応していければと思います。余暇としては、マイナーですが、オリエンテーリングというスポーツがおすすめです。オリエンテーリングは、地図とコンパスを持って山の中に入り、地図上のチェックポイントを回る時間を競うスポーツです。道なき道を通ったり、藪をかき分けたり、リアルな冒険です。オリエンテーリングってどんなスポーツ? (amigasa.jp)

私は大学2年の時に、東京農業大学の友人よりオリエンテーリングに誘われ、のめり込みました。人生においてでこれ以上面白いものに出会ったことはありません!しかし、今は年1回しか大会参加できていない・・。毎週できるならお酒もやめられます(本当か?という声が聞こえてきそう・・・)。オリエンテーリングに熱中するようになってから、ゲームもやらなくなり、授業も集中して聞くようになり(トレーニング時間を確保するため)、試験もすべて1回でパスするようになりました。皆さんも何か熱中できるものが見つかるとよいですね。