日本児童青年精神医学会参加記 1  読字障害へのアプローチ

現在、Webで日本児童青年精神医学会が配信されています。

その中で学んだことを記事にします。記事というか私自身のメモですね・・・。

数日前の記憶で記事を書いております、しかもメモを取る習慣がない (というか、字が汚く自分でも読めない)ので 、講演内容のすべてではなく、特に私の記憶の残っている事に限定されます。また、一般の方にとって、比較的分かりやすい内容のみの紹介といたします。

 

成育医療センターの小枝達也先生の「T式ひらがな音読支援による発達性読み書き障害の診断と指導」を視聴しました。

 

読字障害とは、簡単に言うと、聞いたことの理解に支障はないが、文字を読むのに負担を生じる状態です。文章を読むのに、1文字読みになってしまう, 他の人の何倍も時間を要する, といった症状を認めます。眼球運動の問題ではなく、字を捉えて音に変換するシステムに問題があるとされています。

 

人の読字のメカニズムは2つの経路があります。

経路1.非語彙経路:文字一音変換 (文字を読み始めたばかりの児)

経路2.語彙経路:文字単語検出

(人は知っている単語をかたまりでとらえながら文を読む)

 

経路2.について例を出しましょう。

だいじな おらしせが あります。

きょうの しさんつは いんちょうによる いっしん たいせいです。

よろしく おねがい いたします。

 

皆様は気づきましたでしょうか?

文章中の短い単語において、単語の最初と最後をそのままにしておき、途中を入れ替えても、違和感なく単語として読めてしまいます。このことは、脳が「見覚えがあるぞ」というレベルで既知の単語を当てはめて読むことを示しており、これをタイポグリセミア現象といいます。

 

では、どのようにアプローチをしていくのか?

経路1に対して:解読の障害→解読指導:正確さの向上

治療用アプリを用いて 表記された文字との対応を練習

3週間ほどで効果を認める

 

経路2に対して:まとまり読み→語壜指導:速度の向上

一目で把握できる「単語の形体」を見分ける指導

知らない語句の読み方を教える

意味を学ぶ, 例文を少なくとも3つ以上作る

本の読み聞かせが意味のネットワークに重要

生活単語と本の単語は異なる。例えば、「きらびやか」という言葉は、日常生活で用いることは少ないだろう。

効果を感じるには6か月~1年を要する

 

発達支援外来を始めて3年ですが、読字についての相談はほとんどありません。

学校の先生が対応してくださっているのか、それとも努力不足と言われアプローチがされていないのか・・。もし、字の読みでお困りの方がいたらご相談ください。