10/11の朝日新聞の記事より
簡潔にまとめ、少しだけ私のコメントも適宜追加しています
今冬は、新型コロナとインフルエンザの同時流行が心配されている。
1.インフルエンザウイルスの状況
今年は、日本と季節が反対の南半球で冬のインフルエンザウイルス患者が激減している。オーストラリアの保健省が9月下旬に公開した報告書では2020年シーズンインフルンザ感染者は約2万1千人と前年同期の約29万人に比べ激減した。しかも、4月以降の陽性者はほとんどいなかった。
理由としては、新潟大学の公衆衛生学の斎藤教授によると、各国で3密回避など個人の感染予防が広がったこと, 国内の移動や海外からの渡航者の減少を指摘している。
特定のウイルスが流行するとほかのウイルスが増えにくくなる「ウイルス干渉」という現象の可能性があるが、新型コロナの感染者数はまだ限られた人数で、インフルエンザ感染者数に影響を及ぼすほどではないとしている。
先日、沖縄の先生のweb講演会を視聴しましたが、沖縄では1年を通してインフルエンザ患者が発生するのですが、今年は陽性例は1例のみのようです。
2.インフルエンザと新型コロナの同時感染はありうるのか
日本を含む複数の国で同時感染例が報告されています。それは、人の体内でのくっつく場所が違うからです。
インフルエンザは、「シアル酸」という受容体にくっつきます。その受容体は、鼻やのどに多くあり、肺には少ないです。そのため、ウイルスが肺を直接攻撃する、ウイルス性肺炎はあまり起こりません。肺炎は、感染で弱った肺に、細菌(主に肺炎球菌)
が感染することで起こります。
それに対して、新型コロナは、「ACE2」という受容体にくっつきます。その受容体は、鼻やのどだけでなく、肺にも多く存在し、そのため、ウイルス性肺炎が起こります。病初期より息切れや呼吸苦がある場合は新型コロナを疑います。
3.私の考え (はずれたらすみません😅)
今年のインフルエンザは、出足はゆっくりですが、徐々に増加してくると思います。
原因は、1) 入国制限の緩和 2) Go to トラベルなど国内の移動の増加 、です。
もちろん、新型コロナも上記により増加し、同時流行は懸念されると思います。
予防できるものは予防しておきましょうという考えで、インフルエンザワクチンの接種をおすすめしております。