開閉式ドアに注意

日本小児科学会雑誌では、小児科医が共有したほうがよい事故情報が掲載されます。2020年8月号の学会誌からの報告を共有したいと思います。


1歳児で、開閉式ドアに手をはさみ、骨折と爪剥離を呈した2例が報告されていました。

 

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矢印部分にはさまれた

 

 

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海外の報告によると、子どもの手指外傷には、1) 5歳未満の中指、特に一番末端の骨の外傷が多く、爪外傷も合併し、指の切断の至った例も存在する, 2) 屋内での受傷が多く、特に乳幼児は屋内ドアが原因であることが多く、保護者がそばにいる状況で発生しうる。3) ドアが閉められた際に蝶番部分で受傷したすいという特徴があります。

 

日本の状況も海外と同様で、2011~2015年の5年間に都内で救急搬送された児のうち、指外傷は932名であり、そのうち4.8%が切断に至っていました。多くは自宅の手動ドアでした。

 

現状では解決策がなく、指はさみ防止グッズを使用しても完全には防げないし、その接着力や耐久性には限界があります。住宅設計時に、開き戸や折れ戸タイプのドアをできるだけ減らす、建具としての機能が保てる範囲で隙間を残す設計とするなども一つの方法と思います。

 

日本小児科学会こどもの生活環境改善委員会. Injury Alert (傷害速報) No.90 開閉式ドアによる手指外傷 日児誌2020: 124:1320-1324、より

 

改めて家全体を見回ると、折れ戸タイプが数か所ありました。息子はケガが多いから気をつけないと・・・。