色々な場面で役に立つ応用行動分析 【理論編】

 私の外来で、時々、お母様より受ける育児相談に対して、応用行動分析学に基づいたアドバイスをさせていただいております。どれぐらいお役に立てているか不明ですが、時々、状況が良くなりましたという声をいただいております。

実は、この方法は、夫婦間、職場などあらゆる場面で威力を発揮しうるのです。

今日は、その理論について簡単にお話しします。

 

人の行動は、ある状況下で取った行動の、その直後に起きた結果により影響されます。

ある行動を取り、良い事があった場合は、その行動を繰り返します (強化)。その逆に、ある行動を取った事で、悪いことが起こればその行動を避けるようになります(消去)

 

f:id:teammanabe:20200826050525j:plain

応用行動分析の理論

 


例えば、幼稚園児が、ケーキ屋さんの前で、「いらっしゃいませ」を読んだら両親がケーキを買ってくれました。→ その後、その子は、ケーキ屋さんの前を通るたびに、「いらっしゃいませ」を連発するようになります (= 強化) → しかし、その子の期待に反して、両親は無視をしました → その子は、ケーキ屋さんの前を通っても「いらっしゃいませ」を言わなくなりました(=消去)

その子も、大きい声で「いらっしゃいませ」と言ったり、「いらっしゃいませ, いらっしゃいませ、いらっしゃいませ」と3連発で叫んだり、頑張ったのですが、両親の一貫した無視に負けてしまいました。実は、この幼稚園児は、小さい頃の私です。大人になるまで父 (院長)はその話をよく持ち出し、私をからかってきました。

 

f:id:teammanabe:20200823213337p:plain

 

このように、周囲の方の行動を変えたいときは、望ましい行動をした時は、ほめましょう。なお、ほめるタイミングとしては、良い行動をした直後であることも必須です。

例えば、お母さんが家をきれいに掃除したとします。3日後に「家がきれいになったね」とほめられても、喜びは半減ですよね。

 

明日は実践編として、タバコの吸い殻をきちんと片づけないお父様への、応用行動分析学に基づいた対応方法を説明します。