食物アレルギー アレルギー症状出現時 想定練習1の解説&2,3

まずは、前回の解説です。

 

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牛乳は摂取してからアレルギー症状が出現するのが早いです

(摂取から30分以内が大部分)

出現した症状は、全身の皮膚症状ですね。

皮膚症状のみであれば、全身であっても、生命の危機には直結しないので、重症度は「中等症」になります。エピペン注射は必須の状態ではありません。

今回は、手持ちの抗アレルギー薬を服用し、慎重に他の症状が出てこないか経過を観察します。同時に、保護者への連絡と病院受診をするというところかなと思います。

ただし、アナフィラキシー歴のあるお子様なので、エピペン注射という選択肢も間違いではないと思います。

 

では、次の問題にすすみましょう。

問題2: 重症のピーナッツアレルギーを有する10歳男児。休み時間に友人よりもらったチョコを摂取し、その30分後より声がかすれて、喉を苦しそうにしています。他の症状はありません。あなたならエピペンを注射しますか?

 

(解説) 「重症」の呼吸器症状のためエピペンR注射の適応です。皮膚症状は、伴わない場合や後から出現することもあります。皮膚症状がない=アレルギーではない、は間違いです。研修では、「打たない」と回答してしまう方も少なくありません。

 

問題3.重症の小麦アレルギーを有する11歳女児。給食中に誤って小麦入りのパンを誤食。その60分後より全身の蕁麻疹と嘔吐を7回みとめぐったりしています。あなたならエピペンを注射しますか?

 

(解説) 皮膚症状は「中等症」ですが、全身症状と消化器症状が「重症」のためエピペンR注射が必要です。誤食後60分経過してから症状が出現しはじめることもあるので、誤食時は少なくとも1~2時間は安静での経過観察が必要です。