自閉スペクトラム症児に対する感覚の偏りの評価

私の発達支援外来での取り組みの1つを紹介させていただきます。

自閉スペクトラム症児は、感覚処理に偏りが見られることが多いです。

視覚, 聴覚, 嗅覚, 味覚, 触覚, 温痛覚, 固有受容覚 (手足の状態, 筋肉の伸び縮みや関節の動きを感じる感覚), 前庭覚 (体の動きや傾き, スピードを感じる感覚)、といった各種感覚に

過敏な状態や鈍感(低登録)な状態が見られます。

簡単な例をあげると

  トイレのエアタオルの音が極端に苦手 (聴覚過敏)

   人に(突然)体を触られるのが嫌い/苦手な手触り, 舌触り, 肌触りがある(触覚過敏)

   痛みに強い(痛覚低登録)

 

1人の子が、聴覚過敏と前庭覚低登録の状態を併せもつことがあります。また、触覚に対して、過敏と低登録を併せ持つことがあります。

当院では、先月より、JSI-Rという保護者記入式の147項目の調査票を使用し、アセスメントし、感覚の偏りとアドバイスを記載したレポートを作成させていただいております。通常の診察では把握してきれない実態把握や保護者の方への感覚特性への理解が深まるなどのメリットがあります。

JSI-Rは4-6歳までが対象ですが、他の年齢の方にも有用という印象があります。

項目が多く、少し大変ですが、お子様の特性を把握するためにも、ご協力よろしくお願い致します。