論文紹介~新型コロナウイルス感染拡大の女性の性生活への影響

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言中に、望まぬ妊娠をした若年女性が増えているという報道がされました。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/16811

 

トルコより新型コロナウイルス感染による女性の性生活の変化についての論文が発表されました。

 

International journal of gynaecology and obstetrics: the official organ of the International Federation of Gynaecology and Obstetrics. 2020 May 11; doi: 10.1002/ijgo.13193.

Author

Bahar Yuksel, Faruk Ozgor

 

他の研究参加していた女性よりリクルートし、コロナ流行前6-12カ月前と流行期で

比較しています。研究への参加者は58名で、平均年齢27.6歳, パートを含め仕事している人が65%, 平均出産数は1.2でした。

主要な結果 (新型コロナ流行前後で差を認めた項目)は、1) 1週間あたりの性交回数は、流行前2.4回に対し、流行中は1.9回  2) 妊娠希望は流行前19/58 (32.7%) に対し、流行中は 3/58 (5.1%) 3) 避妊具の使用は、流行前24/58 (41.2%) に対し、流行中は10/58 (17.4%) 4) 月経障害は流行前7/58 (12.1%)  に対し、流行中は  16/58 (27.6%)でした。

 

 (言えること)

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛生活により、妊娠を望む割合は大幅に減少したが、性交回数は増え、避妊具の使用割合は減ったことが示された(矛盾している!?)。また、月経障害を起こす人の割合は増えた。おそらく仕事が休みとなり、パートナーと家にいる時間が増えた、薬局まで避妊具を買いにいけなかったことが影響しているのか。日本で問題となっている、未成年についてはどうなっているのか気になるところである。