オンライン診療の感想&吸入器が返ってきた

オンライン診療にもだいぶ慣れてきた。

感想はというとやっぱり対面の方が良いのは、間違いない。

オンラインは視診と問診のみで得られる情報が少なく、また会話も最低限になってしまうからだ。小児科医にとってご家族や本人との病気以外の会話や診察室での本人の様子を見ることはとても大事である。

でも、問診での情報しかない電話診療よりは良かった。喘息で継続的に診察している子は、両方の鼻に鉛筆を入れて私を笑わせてくれた。元気な彼の様子をみて安心すると同時に嬉しくなったし、幼稚園が休みで自宅で過ごしているその子も同じように感じたのではないでしょうか。それは言い過ぎとスタッフからつっこまれそうであるが・・。

 

そうそう、1つ大事件が。

ある患者さんにお貸ししていた吸入器が1年ぶりに戻ってきました!

当院では、喘息発作で受診した子で、夜間の悪化が心配な場合に、吸入器を無料で数日間お貸ししています。その方も、数日後に予約したが、来院がなく、その後も吸入器の返却はありませんでした。何回か電話をし、留守番電話にメッセージを入れても反応がありませんでした。2ヶ月たったぐらいのところで、その方に手紙を出したところ、その方からクリニックに電話がかかってきました。結局、診療時間内にクリニックに返却するのが難しいとのことで、郵送ということになりました。これで一件落着かと思いきや、一向に届きません。その後、定期的に電話を入れるも、全く反応がなく、お貸ししてから1年ほどが経過し、もう厳しいかなと思っていました。

 

それが、3日前に突然返ってきました。

中を空けて見たら吸入器が・・。皆で盛り上がったのも束の間・・・。

その吸入器は、タバコの臭いがプンプンし、ホコリまみれでした。

いつもお貸しするときに渡しているトートバッグはなく、「遅くなりすいませんでした・・・」のような手紙も入っておらず、あまりの非常識さにあきれてしまいました。

自粛期間で家の中を整理整頓して見つかったというところでしょうか。きっと、この方も体あるいは心の調子が悪かったんでしょう、と思うようにしよう。

それよりも、吸入器が返ってきて良かった・・・。看護師さんが丁寧に洗い、きれいにしてくれました。これから、喘息発作の子ども達のために働いてもらうからね・・。

 

一時期、クリニックの吸入器のレンタルをやめる, レンタル料をいただく, 誓約書に記入していただくことなどを考えましたが、過去30年間の歴史で、吸入器を決められた期間に返さなかったのは、たったの2人だけのよう。喘息発作を起こした患者さんとご家族のことを考え、これまで通りのシステムで、継続していこうと、思います。